みなさま、こんにちは。
さて、昨年12月のパリ出張の後、日を空けずして東京へ日帰りで勉強会に参加したのですが(ハードスケジュールはいつものこと)、その勉強会の始まる前に、美術館へも足を運びました。
東京は観たい展覧会が多すぎて、でも時間は限られているので、いつも、どこへ行こうかとても悩むのですが、今回は勉強会の会場に近かったアーティゾン美術館にしました。そこでマリー・ローランサン展を開催していたからです。
マリー・ローランサン展といえば、昨年2月〜6月の渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムと京都市京セラ美術館での『マリー・ローランサンとモード』が記憶に新しいです。
その時、私は京セラ美術館を二度訪れ、マリー・ローランサンの美しい色彩の世界に魅了されました。
今回の展覧会は、ローランサンの生涯に焦点を当て、彼女の画家としての歩みをじっくりと追っていました。
『マリー・ローランサンー時代をうつす眼』
パステルカラーの独自の画風は普遍的でありながらも、時代の変遷に対応しながら、彼女自身の方向性を模索していく姿勢がうかがえました。
前回の展覧会では、同時期に活躍していたココ・シャネルとの関連も掘り下げられ、彼女の足跡をたどる展示でした。それとは異なり、今回はローランサンの人生にフォーカスし、新たな視点を提供していました。
これもローランサン。なんだか画風が違いますね
アーティゾン美術館は、2020年1月に約5年の長期休館・ビルの新築工事期間を経て再開館しました。前身はブリヂストン美術館で、自らの収集コレクションを公開する場として、石橋正二郎により開設されたものです。
2017年、パリのオランジュリー美術館で、改装中のブリヂストン美術館の素晴らしいコレクションの数々が公開された展覧会があったのですが、ちょうど運よくパリに居てこの展覧会に行けたのです。宝物のような貴重な芸術作品の数々をこの目で見ることができたことは、今でも鮮やかな記憶として残っています。
アーティゾン美術館を後にするとき、こんな言葉が目に入りました。
『世の人々の楽しみと幸福の為に』
美術に情熱を注いだ石橋氏。彼の審美眼を活かした収集品の数々をこうして今、私たちが観ることができるのは、石橋氏の社会貢献の賜物なのだと改めて感動しました。
マリー・ローランサンー時代をうつす眼は、アーティゾン美術館で2024年3月3日まで開催中です。
合わせて開催中の野見山暁治の特集展示もとても興味深い内容でした。ぜひ一緒にご覧くださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
どうぞ良い一日をお過ごしください。